その親知らず。
抜歯しませんか？

親知らずの抜歯の必要性

親知らずを抜歯するメリット、デメリット。また残すメリット、デメリットは色々なホームページで言われています。しかし歯科医師として責任を明確に立場を示していることは少ないように感じます。久我山・杉並歯科は院長の櫻岡直也の考えとして「基本的に親知らずは抜歯をお薦めする。そのうえで、できれば若い年齢の間で」と最初にお伝えします。

もちろん歯科医師として「患者さんにより」であったり、「お口の状況によります」というのは嘘ではありませんし、広義で正しいメッセージだと思います。その上でやはり多くの場合において、正しい診断の上で親知らずは抜歯するメリットが多いと考えます。そして抜歯の必要があるなら、できれば中高年以降ではなく、若いうちの抜歯をお薦めします。

親知らずの抜歯は患者さんのお口の状態、生え方によってご来院当日に抜歯手術の行えない場合もありますので、予めご了承ください。

親知らずを抜くメリット

・歯並びを乱す可能性

顎の大きさに左右されますが、いわゆる「小顔」タイプの方の場合は、歯が収まる顎のスペースが物理的に少ないため親知らずによって、周囲の歯や時に前歯までが傾いたり重なってガタガタの歯並びを誘発することがあります。

・虫歯に繋がる可能性

親知らずは口の一番奥、いわゆる「奥歯」のさらに奥にあります。そのため、どんなに丁寧に歯磨きをしても磨き残しが発生してしまうことが多く、そこから虫歯に進行していくことがあります。傾きや重なっている場合は隣の奥歯との間(隣接面)が虫歯になり、咬み合わせに大切な意味をもつ奥歯を痛めることもあります。

・歯周病に繋がる可能性

親知らずが真っ直ぐに生えていないことが多いため隣の奥歯と重なったり、反対に窪み(ポケット)が大きくなったりしている場合があります。そのため歯ぐきを清潔に保つことができず歯周病(歯槽膿漏)につながることがあります。親知らずは別名を智歯(ちし)と呼び、この症状を智歯周囲炎と言います。

・口臭など不快症状の可能性

親知らずの周囲をセルフケアで清潔に保つのは、プロの歯科医師、歯科衛生士であっても実は難しいものです。そのため、これまでお話ししたように様々な症状とお口環境の悪化で、口臭などの匂い、痛みや沁みによる食事の不都合などに繋がることがあります。このように基本的には親知らずを残しておくことで、他の症状を誘発するデメリット(リスク)が大きいのが現実です。そのため久我山・杉並歯科では、多くの場合において親知らずの抜歯をお薦めします。

親知らずを抜くデメリット

・予後不良の可能性

親知らずの抜歯は一般の歯科治療と同様に、本来は口腔外科と呼ばれる処置の1つで切開や粉砕・摘出、縫合などれっきとした手術です。そのため一般的な身体の手術と同様に出血や腫れ、痛みも一定期間発生します。くわえて正しい診査診断と手術手順を行わなかった場合は、顎のなかにある神経や血管を損傷する危険性もあります。

・移植が不可能になる可能性

他の歯を虫歯や歯周病で失った場合にインプラントに頼らずに歯を再建する方法に、広く知られているブリッジや入れ歯の他に自分の歯を移植する自家歯牙移植という方法があります。これは失った歯を移植し天然歯の土台としてかぶせ物などで補う治療法です。ドナー歯となる親知らずを抜歯した場合はこの治療法を選択できなくなる可能性があります。ただし親知らず以外の歯を移植する可能性は残ります。

親知らずの抜歯の必要性

久我山・杉並歯科では親知らずの抜歯を日常的に行っています。斜めに生えている親知らず、水平埋伏の親知らず、歯根肥大（歯根の先が膨らむ）や歯根湾曲（歯根が曲がる）など、難易度が高い親知らずも抜歯します。同時に抜歯する必要の無い状態の親知らずも存在するので、やはり大切なのは診査診断です。

若い間に親知らずを抜歯することをお薦めします

親知らずの抜歯は口腔外科の処置です。当然ですが、分かり易いご説明と患者さんの選択と同意のものに行われるもので、無理にお薦めしたり強制することは久我山・杉並歯科では、ありません。一方で患者さんの選択という大義名分で責任ある診断とアドバイスを伝える事を怠ってはならないとも考えています。

久我山・杉並歯科では原則として親知らずは抜歯をおすすめしています。また、年齢を経るごとに抜歯後の回復が遅くなったり、既往症などの持病がふえることで抜歯のリスクが相対的に上昇する可能性もあります。そのため、できるだけ若いうちに正しい診断をお受けになり、必要であれば親知らずを抜歯することが大切だと考えます。

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